しゃかえもんのボドゲ説法vol.6  『パンデミック』

パンデミック

(過去にmixiで友人向けに書いた記事を加筆・修正しています。情報の古さはご容赦ください。)

過去の説法はこちら↓

【しゃかえもんのボドゲ説法vol.1  『ドミニオン』】
【しゃかえもんのボドゲ説法vol.2  『ごきぶりポーカー』】
【しゃかえもんのボドゲ説法vol.3  『カタンの開拓者たち』】
【しゃかえもんのボドゲ説法vol.4  『ロストシティ』】
【しゃかえもんのボドゲ説法vol.5  『ファウナ』】





しゃかえもんが趣味のボードゲームについてのよしなしごとを、そこはかとなく書き付けるコーナー。あやしうこそものぐるをしけれ。



********



たいへんご無沙汰しておりました。

みなさん、お元気でお過ごしだったでしょうか?


わたくしはこの春先にはノロウイルスに罹り、
三日三晩吐き続け、布団を一組ダメにしました。


ノロウイルスはまだ有効なワクチンが開発されておらず、対症療法で自然治癒を待つしかないので、
抵抗力のないお子さんやお年寄りにとっては命にかかわります。


最近は、巷では風疹が大流行しているとのこと。
予防接種を受けていなかった一部の世代にとくに流行っているそうです。
妊婦さんなどはとくにお気をつけください。

中国の鳥インフルエンザのニュースも気になりますね・・・。


ほんとうに怖いのは、経済危機でも領土問題でも原発でもなく、
病原菌やウイルスなのかもしれません。※1




そしてわれわれの知らないところで、そうした脅威に立ち向かうべく、日夜、奮闘している人たちがいることを忘れてはならないのです。



・・・そんな人たちの戦いを仮想体験できるのが、今回紹介するボードゲーム『パンデミック/Pandemic』です。http://hobbyjapan.co.jp/pandemic/




『パンデミック』では、世界に4種類の病原菌が流行しはじめます。

プレイヤーは感染対策チームのメンバーとなり、各地の感染者を治療したり、情報を集めたりしながら、世界がウイルスに覆い尽くされる前に、すべてのウイルスに対するワクチンの完成を目指します。



このゲームの大きな特徴は、「協力ゲーム」だというところです。


プレイヤー同士が勝ち負けを競うのでなく、プレイヤー全員が一丸となって、ゲームシステムに挑戦します。

全員勝ちか、全員負けか。2つにひとつ。



アツいです。



「協力ゲーム」というジャンルは、以前紹介したクニツィア先生が作った『指輪物語ボードゲーム』が元祖なのですが、いままであまり数が多くありませんでした。
『パンデミック』は久しぶりの協力ゲームであり、しかも頭ひとつ飛び抜けた傑作です。※2



特筆すべきポイントがいろいろあります。



まず、キャラクターカードの存在。

プレイヤーには別々の役職が与えられ、それぞれ固有の特殊能力を使えるようになります。

衛生兵は通常よりウイルスをたくさん取り除くことができますし、科学者は通常よりも少ないカードでワクチンを作れます。

こうした役職のおかげで役割意識が生まれロールプレイングゲームのような楽しみ方もできますし、
「次はこの役職でやろう」と何度も繰り返し遊びたくなる気になるのです。


わたくしがシステム的に一番おどろいたのは、感染カードの処理。

ゲーム中毎ターン、感染カードの山札の上からカードがめくられ、そこに書かれた都市にウイルスコマが1個ずつ置かれます。

途中、プレイヤーが使うカードの山札から「エピデミックカード」というのが出てくると、
感染山札の一番下から1枚抜き、そこに書かれた都市にいきなり3個のウイルスが置かれます。

そしてさらに、その時点の捨て札の感染カードをシャッフルして、そのまま感染山札の上に戻します。

これでどうなるかというと、すでにウイルスが置かれている都市に再びウイルスが置かれるようになるわけ。
これにより実際のウイルス感染が拡大する様子をリアルに再現できるわけです。

このスマートすぎるアイデアにはほんとうに感動しました。


業界的にも評価され、2009年にはドイツ年間ゲーム大賞の最終候補にもノミネートされました。
運悪く『ドミニオン』という怪物タイトルに当たってしまい、惜しくも敗れましたが、
わたくし個人的にはこちらが大賞をとると予想していました。



作者はアメリカ人のマット・リーコック氏。
『パンデミック』が処女作?らしく、詳しい人となりについてはあまり情報がありません。
『パンデミック』で一躍人気デザイナーの仲間入りを果たし、新作もちょこちょこ出している様子。※4




さて、ここで恒例の「漫画・アニメでいうと何でしょう?」のコーナー。




じわじわと世界を侵食してくる謎の存在。



人類を守る使命をいやおうなしに引き受けねばならない主人公たち。



ああ、この世紀末感。




まさしく『新世紀エヴァンゲリオン』ではありますまいか。


この作品によって、そのジャンル(協力ゲーム/ロボットアニメ)を一歩先のステージに進めたという意味でも共通したものを感じます。


ボードを囲んで相談する様子はゼーレの会議※5のようでもあり、

作中の謎について熱く議論を交わした、当時のエヴァ現象そのもののようでもあります。



そして、エヴァが圧倒的な支持を得た裏で、厳しい批判も受けていたように、『パンデミック』にも難点が指摘されています。


それはいわゆる奉行問題。
協力ゲームの常として、仕切りたがる人がいると、その人の指示でただコマを動かすだけの人が出てしまう危険があることです。


これは実際起こりやすい問題です。


たしかにただでさえ難易度が高いので経験者でも必死になりがちですが、行き過ぎると一人ででやっているのと変わらなくなってしまいます。

脳内世界のアスカに「自分しかここにいないのよ。」と非難されかねません。




このゲームの間だけは、ATフィールドを中和させて、みんなが意見をいえるように気を配りたいところ。


それが人類補完のための第一歩なのです。※6





【本日の教え】

「キモチワルイ。」

→ノロウイルスの疑いがあります。吐しゃ物はしっかり密閉して捨て、塩素系漂白剤で拭き取りましょう。水分と栄養をしっかりとりましょう。症状が落ち着いても1週間程度は外出を控えましょう。








  • ※1
    しゃかえもんは社会派です。





  • ※2
    もとの記事を書いたのが2010年だったので協力ゲームは珍しかったのですが、その後たくさん出てきました。『パンデミック』の人気を受けてのことでしょう。





  • ※3
    拡張セット『絶体絶命』の追加キャラクターの中には【バイオテロリスト】なんてのもいます。これを入れるとそのプレイヤーだけ一人敵側になり、居場所を隠しながら、ウイルスをまき散らします。





  • ※4
    『パンデミック』の後に出したのは同じく協力ゲームの『禁断の島』。ネットを散見したところ、あとは『ロールスルー・ジ・エイジズ』くらいしか見当たらず。あまり多作ではないようです。





  • ※5
    以降『エヴァ』を知らない人には意味不明なワードがいろいろ出てきますが、「ああ、にわかが通ぶってなんか言ってるな」ということだけわかればいいです。





  • ※6
    物議を醸した新劇場版『Q』。あれはあれでエヴァらしくていいのですが、最近心配になってきたのは、庵野監督が生きてるあいだにちゃんと次回作を作ってくれるのかどうか。不謹慎ですが、世の中何があるかわかりません。『Q』が最後の作品じゃ救いがなさすぎます。。。監督本人じゃなくても主要キャストの誰かがチェンジするだけでかなり痛い損失です。そういう意味でも皆さん健康には気を付けていただきたいものです。





(mixi日記2010年12月14日より加筆・修正)
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埼玉県越谷市あたりに生息。

108の煩悩を操る煩悩マイスター。

非電源系ゲーマーです。(ボードゲーム、カードゲーム、TCG,TRPGなど)

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