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しゃかえもんのボドゲ説法vol.16 『あやつり人形』

しゃかえもんが趣味のボードゲームについてのよしなしごとを、そこはかとなく書き付けるコーナー。あやしうこそものぐるをしけれ。


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ついに。

「平成」が幕を下ろし、新時代「令和」が始まりました。

この節目を、皆様どのように感じ、どのようにお過ごしでしょうか。


わたくしは万感の想いが去来するなか、

この連休とくにお出かけなどの予定もなく、

とりあえず『ガラスの仮面』1~49巻を一気読みしました。


なんのとりえもなかった少女、北島マヤが、演劇と出会い、常人を超えた才能と努力により、幾多の試練を経て成長していく――

何度読んでものめり込んでしまう......。恐ろしい漫画....!


昭和50年(1975)に連載開始。

いまだ40年以上続いている未完の大・大・大名作です。

『紅天女』をめぐる対決も、平成のあいだには決着のつかないまま令和に持ち越しとなりました。

速水真澄さまの通信手段も黒電話から携帯電話、そして遂にスマートフォンに。*1

このような未来を誰が予想していたことでしょう。


さていっぽう、平成最期から令和最初期のボードゲーム業界に強引に視線を移すと、

全国各地にボードゲームカフェができ、

量販店にもごく普通にボードゲーム売り場が設けられ、

自主的なイベントも活発。

新作の発表ペースも怒涛の勢いです。

昭和と比べれば勿論のこと、わたくしがボードゲームを知り始めた平成20年ごろから考えても、想像だにしていなかった発展をみせております。


初対面の人に趣味をきかれ、「ぼぼぼ、ボードゲームです....」と答えたら、

以前なら「....人生ゲームですか?」と反応されるのがお決まりだったのが、

いまや、

「あぁ、ガイアプロジェクトみたいなのですね!」

と返ってくる、そんな時代。



わたくし自身はというと、そんな最新トレンドに正直ぜんぜん追いつけておらず....。ゲームマーケットもここ数年はサボちゃっています。

「あたし、もうボードゲームについて色々語るの失格なんじゃないかしら.....」と自信を失いがちになっている今日このごろ。


が、しかーしっ!


せっかくのアニバーサリーなタイミング、

自信は無いなりに何かしらは語りたい!

だってオタクは語りたい生き物だから!


・・・と、久しぶりに筆をとった次第であります。



さて、そんな令和最初のボドゲ説法で取り上げますのは、

わたくしがボードゲームを知り始めたころからのお気に入り。

つい最近でもお決まりのメンバーが集まったときには必ずといってよいほど繰り返し遊んできました。

おのれのボドゲ人生と切っても切り離せない、思い入れの深いゲームであります。

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思い出すのはたしか平成21年、ボードゲームにはまり始めたころ。某オープン会に参加したときの記憶・・・

受付用紙に名前の他に幾つかアンケート項目がありました。

「Q.あなたの一番好きなゲームは?」

当時のわたくしはまだ数えるほどのタイトルしか遊んでいませんでしたが、そのとき一番気に入っていたゲームを迷わず記入したのでした。



「A.『あやつり人形』!!!」


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『あやつり人形(Ohne Furcht und Adel)』は平成12年(2000)発売のカードゲーム。作者はブルーノ・フェイドゥッティ(Bruno Faidutti)。*2

陰謀渦巻く中世ヨーロッパ風の都市でプレイヤーは影の実力者となり、様々な「キャラクター(役職)」を裏で操りながら、自分の勢力を拡大していきます。

ゲームシステムとしては、簡単に言うと、

「リソースマネジメントとカードドラフトを用いた特殊能力バトルと正体隠匿要素のある心理戦マルチゲーム」です。


はい。ピンときていないあなた。

わかりますわかります。

『あやつり人形』は「めっちゃ面白いんだけど、なんか説明しにくいんだよね~」系ゲームの筆頭なんです。

すみませんが、しばしお付き合いを。


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プレイヤーの目的はシンプルです。

お金建物カードを集めて、建物カードを自分の場に並べて(建てて)いきます。

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建物カードの金貨マークの数は、それを建てるために必要なお金(コスト)かつ、その建物の価値でもあります。

誰かが8枚目の建物を建てたら終了。

自分の建物の価値の合計が一番多いプレイヤーの勝利です。

建物はの5色。全色揃えるとボーナス得点が入ったりします。

紫の建物には様々な特殊効果があり、ここぞという場面で助けてくれます。そう"紫のバラのひと"のように。*3

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この建設競争がゲームシステムの根本ではあるのですが、

『あやつり人形』の面白さの重心「キャラクター(役職)」にあります。

毎ラウンド、手番が始まる前に、全員がそのラウンドで自分が操る「キャラクター」を選びます。

「キャラクター」は8つ。

番号と、そのキャラクターを選んだプレイヤーだけが使える特殊な能力があります。*4

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1番、×××。(のちほど紹介....)

2番、泥棒。指名したキャラクターからお金を奪う。

3番、魔法使い。手札をコントロールできる。

4番、国王黄色の建物からお金を得る。次のラウンドでキャラクターを最初に選べる。

5番、伝道師青の建物からお金を得る。自分の建物を破壊されない。

6番、商人緑の建物からお金。さらに追加でお金を稼げる。

7番、建築家。カードを追加で引け、建物を建てるのが得意。

8番、傭兵赤の建物からお金。建物を破壊できる。


これらのキャラクターを上手く使いこなして、建設競争を有利に進めていきます。


キャラクターの選びかたは「カードドラフト」という方式。

すっごく簡単にいうと、席順の早い者勝ちです。

前のラウンドに国王を選んだプレイヤーからスタート。

キャラクターカードの束を手札に持ち、その中から他のプレイヤーに見えないように1枚を選んで、このラウンドで使う自分のキャラクターとして伏せます。

そして、残りのキャラクターカードを隣のプレイヤーに渡します。

そのプレイヤーも同様に、渡されたカードから1枚選んで伏せ、残りをその隣のプレイヤーに。

そのプレイヤーも同様に...

....と、1枚ずつ選択肢が減っていきながら、全員がキャラクターカードを選びます。*5



それが終わったら、各プレイヤーの手番が始まります。

手番は席順ではなく、キャラクターカードの番号順なのがポイント。

国王が進行役をつとめることがルールに明記されていますので、

国王は「1番の者。おもてをあげよ。」などと、役になりきって威厳のあるイケボで呼び出したいところ。

・・・なのですが、ほとんどの場合、

「1番のかたー」

というように病院の待合室みたいになりがちなのは、まあ仕方なし。*6

番号が呼ばれたら、キャラクターカードを公開し、そのプレイヤーの手番を行います。

手番にはお金やカードを得たり、建物を建てたり、キャラクターの特殊能力を使えます。

1番から8番まで呼び出し、それぞれ手番を終えたら1つのラウンドが終了。

すべてのキャラクターカードを回収して、次のラウンドに。新しい国王から、あらためてキャラクターを選び始める――

――この繰り返しです。

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「ようするに毎ラウンド、早い者勝ちで強いキャラクターを選べばよいのね。」とおもったあなた。

わかりますわかります。

それも間違ってはおりませんが、そう一筋縄ではいかないのが、さすが往年のユーロゲーム。



キャラクター紹介のとき、もったいつけて隠していたキャラクターがありました。

1番、暗殺者。

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能力は、

他のキャラクターをひとつ指名する。そのキャラクターを選んだプレイヤーは、このラウンド、手番を失う。

どんなに強いキャラクターを選んでも、暗殺者のターゲットになってしまうとそのラウンドでは一切の行動ができません。

国王からの呼び出しの際、自分の番号を飛ばされてしまいます。


大事なオーディションで落選したかのように、ショックでこのような目の表情になってしまいます。*7

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ですので、皆ほんとうは自分に一番都合の良いキャラクターを選びたいのですが、誰もが暗殺者の見えない影におびえながらキャラクターを選ぶことになります。

逆に暗殺者を選んだプレイヤーは、確実につぶしたいプレイヤーのキャラクターを狙いたい。

しかし「指名できるのはあくまでキャラクターであって、プレイヤーではない!」ということが非常に重要です。

最悪、指名したキャラクターを誰も選んでいないこともあるのです。

ハズすとそれはそれでこのような目になってしまいます。

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そういうわけで「誰がどのキャラクターを選ぶのか」を推理し合うことがゲームのひとつの焦点になります。

ここで前述の「カードドラフト」が意味を持って来ます。

上流から渡ってきたカード、そして自分が下流に渡したカードによって、誰がどのキャラクターを選んだかある程度しぼりこむことができます。

逆にいえば自分の正体もある程度は見透かされているわけです。

それぞれの持つ情報、利害、思惑が交錯するなか、適切な判断を迫られます。*8

この読み合いの激しさ・濃密さこそが『操り人形』の魅力です。

ポーカーフェイスでブラフをきめたいところですが、そこは大根役者の哀しさよ。

どう考えてもバレッバレだったり、ときに考え過ぎが裏目に出たり、ときに勇気をもって行動することで活路がひらけたり。

悲喜こもごもの心理劇が繰り広げられます。

対戦相手の心をつかむ。これは大変なことなのですよ。マヤ。

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なお非公式の遊び方ですが、

2人vs2人のチーム戦、というバリアントルールが非常に面白いです!

友人から教えてもらったのですが、これはぜひ広めたい!*9

チームメイトとの相談はNGなので、

「暗殺者が間違って味方を殺してしまう」

という悲劇もおこりえて、スリリングです。

やっちまったときには、当然、お互いこういう目に

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『あやつり人形』を遊ぶときの注意点は、意外と時間がかかること。

キャラクター選びに悩み出すと、待ち時間(ダウンタイム)が長くなりがちなんですね。

4人で初プレイなら、インスト込みで最低2時間、余裕をもって3時間見込んでおいてもよいかもしれません。

ぜひじっくり腰を据えて、時間の心配をせずに楽しんでほしいとおもいます。


ボードゲーム界隈でときどき議論になるいわゆる「長考問題」*10

わたくしもかなり長考しがちな自覚があるので、気をつけようと思っております。(同卓の皆さんいつもごめんなさいね....。)


いっぽうで、相手が考えているのをじっと待っている時間って、それはそれで、どこか「味わい」のある時間だなぁと感じたりもします。


美内すずえ先生の「長考問題」もここまで来ると、
もはや「待っている時間も含めて作品なのだ」と受け止めて、待つこと自体を楽しみたいとおもいます。
*11

「時間だけが解決してくれる」ということも、どうやら世の中にはあるようですから。


当ボドゲ説法も、ときどきマイペースに更新していこうかとおもいます。

令和でも気長にお付き合いいただければ幸いです。




【本日の教え】

だ~れが暗殺したクックロビン♪*12
































  • *1
    劇中の時間では、おそらく半年くらいのあいだのできごとです。



  • *2
    『あやつり人形(仏:Citadelles/独:Ohne Furcht und Adel/英:Citadels)』は何度も再販やリメイクがされており、若干ややこしいです。モノによって拡張セットが含まれていたりいなかったり、小物が違ったりするので気をつける必要があります。

    わたくしが持っているのは拡張セット入りのフルセット・缶入り。日本語化シールは「しなちくのあれこれ」さんが公開されているものを使用させていただきました。http://47chiku.blog36.fc2.com/blog-entry-473.html 細部までこだわられていて、雰囲気そのままに遊ぶことができ、ありがたいです。

    最近だと2016年にアートワークを一新し、追加カードが増えた『あやつり人形 新版』が豪華です。
    あやつり人形 新版 完全日本語版
    2018年にはアートがもとに戻り、拡張は省いてよりコンパクトになった『あやつり人形 クラシック』が出て、手に入りやすくなっているようです。
    あやつり人形 クラシック 完全日本語版




  • *3
    あんまり強力だと、使われる側としては「わたくしは紫の建物が大嫌い!」と言って、カードをハサミで切り刻んだうえ、ベッドの上で燃やしかねない精神状態になることもありえます。




  • *4
    拡張セットや新版ではキャラクターが追加されています。色々な組み合わせを試したのですが、身内的には「基本の8つがベストだな」という結論に落ち着いています。




  • *5
    説明を省きましたが、実際にはプレイ人数によって規定の枚数をランダムに取り除くなど、手順が変わります。




  • *6
    拡張セットの紫の建物【舞踏会ホール】があると、国王から呼ばれるとき「ありがとう、我等が閣下」と言わなければなりません。忘れたときのペナルティの「手番を失う」はさすがにシビア過ぎるので、「国王に1コイン献上する」くらいに変更したほうが楽しめるかと思います。

    bIMG_20190506_145321.jpg





  • *7
    『ガラスの仮面』といえばこの目ですよね。あらゆる複雑な感情がこの目で表現されます。巻を重ねるごとに増え、最新巻では約4ページに1ページは誰かしらが白目むいてます。




  • *8
    暗殺者のことばかり話しましたが、お金を貯めていると泥棒に狙われやすいし、手札が多いと魔法使いに交換させられるし、壊されたくない建物があるなら伝道師で守るかもしくは自ら傭兵になっちゃうか...でもここで国王とらないと次のラウンドで不利だし...などなど、それぞれのキャラクターが相互に影響しあっていて奥深いです。




  • *9
    チーム戦ではチームメイト同士が隣合わないように、必ず交互に座ります。 ゲームの流れは基本と変わらず、手札・お金・建物もプレイヤーごとに独立。勝利条件のみ変更で「チームの合計得点が多いほうが勝ち」になります。相談はNGです。

    個人戦だと殺伐になり過ぎる心配がありますが、協力要素があるとポジティブな感情も共有できて良い感じです。

    やったことはありませんが、6人プレイで3vs3や2vs2vs2のチーム戦も白熱しそうです。




  • *10
    「長考問題」に関して、こちらのコラムが興味深いです。、ボードゲームに限らず、生身の人間同士のコミュニティのありかたについての示唆に富んでいます。ぜひご一読を。

    【コラム】ボードゲームにおける長考問題は解決されるべきではない -非電源ボードゲームで未来のゲームを妄想する- http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/664468/558037/7764773




  • *11
    最新49巻が出たのが平成24年(2012)。「50巻ただいま描いております、お待ちください!」とのメッセージが出たのが平成27年(2015)。平成30年5月(2018)に別冊花とゆめが休刊になりましたが、先生の公式ツイッターでは「必ず最終巻まで描き続けます。」との宣言が!とにかくみんな、なるべく長生きしようね!




  • *12
    埼玉県人ならば必見の映画『翔んで埼玉』。その原作者、魔夜峰央先生の代表作『パタリロ!』でのお決まりギャグ。

    元ネタは某小劇団で、場がしらけたときの「間」をつなぐアドリブだったとか。

    『パタリロ!』(1978)はガラスの仮面と同時期に『花とゆめ』で連載開始した、やはり息の長い作品。現在もweb上でコンスタントに連載を続けてらっしゃいます。舞台化もされ、6月には映画もやるそうですね。

    なお37巻の『ガラスのパタリロ仮面』というパロディ回は、秀逸かつ原作愛にあふれています。

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しゃかえもんのボドゲ説法vol.15 『モニャイの仮面』



しゃかえもんが趣味のボードゲームについてのよしなしごとを、そこはかとなく書き付けるコーナー。あやしうこそものぐるをしけれ。





(過去の説法はこちら↓)

しゃかえもんのボドゲ説法vol.1  『ドミニオン』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.2  『ごきぶりポーカー』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.3  『カタンの開拓者たち』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.4  『ロストシティ』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.5  『ファウナ』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.6  『パンデミック』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.7  『プエルトリコ』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.8  『ニムト』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.9  『はやぶさ君の冒険』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.10 『花火』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.11 『人狼』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.12 『ナンジャモンジャ』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.13 『ハコオンナ』
しゃかえもんのボドゲ説法vol.14 『楽しい動物園』





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「TVゲームばかりしているとバカになります」


両親の教育方針により、子どものころ我が家ではデジタルゲームを一切買い与えられませんでした。

現在わたくしもその思想をしっかりと受け継ぎ、デジタルゲームがいかに有害であるか、強く確信しております。


暴力的なTVゲームをすると暴力的な性格に育ちます。

「ゲーム脳」になり、脳の発達に深刻な悪影響があります。*1

「死んでも生き返ると思った」など、現実とゲーム世界の区別がつかなくなってしまいます。


結果として、暴力・いじめ・ひきこもり・殺人・貧困・食料危機・テロ・戦争・花粉症・仮性包茎


など、様々な問題を引き起こすのです。




なんて恐ろしい。*2




それに対して、我らがボードゲームの健全さたるや。


現実の人間を相手に遊ぶわけですから、ゲームの世界に閉じこもらず安心。

自然に論理的思考やコミュニケーションを学ぶことができ教育的ですらあります。*3


まあなんて素晴らしい趣味なんざましょ。





・・・ところが最近、ある噂を知り、わたくしは戦慄しました。



「VR(仮想現実)を利用したボードゲームがある」



ぶぶぶぶいあーる!!!????


VRといえば、なんだかわからないが最先端のデジタル技術じゃありませんか!*4


なんだかわからないが絶対危険!


デジタルによるアナログへの侵略!汚染!



けしからんざます!





さっそくやってみるざます!


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『モニャイの仮面』は日本のギフトテンインダストリ社より今年2017年に発売された「VRボードゲーム」の第二弾です。 ギフトテンインダストリ: GIFT 10 INDUSTRY 公式HP モニャイの仮面


第一弾というのは2016年発売の『アニュビスの仮面』。 ギフトテンインダストリ: GIFT 10 INDUSTRY 公式HP アニュビスの仮面
これこそ≪世界初≫のスマホVRを活用したボードゲームであり、業界で話題沸騰となりました。*5


『モニャイ』は『アニュビス』の基本システムを受け継ぎ、より豪華に、にぎやかになった快作です。





ゲームの舞台は20XX年。海底に沈んだ古代文明の神殿です。

詳しい世界観設定は、あの『月刊ムー』が協力・監修しています!これだけで欲しくなった諸兄は多いはず!!!*6



遊ぶためには、スマホ専用アプリ(無料)のダウンロードが必要です。ゲーム中はネット接続の必要はありません。くれぐれも充電にはご注意をば。*7


アプリをスタートさせると、海底神殿のマップがランダムに生成されます。

どんなマップなのか、その全体像はゲーム終了時まで明らかにされません。

プレイヤーは全員で協力して、手元のタイルや様々なパーツを組み合わせて、そのマップを再現することを目指します。


さて、それでは何を情報源にして考えるのか?


そこで登場するのが、

この【モニャイの仮面】です。

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これ、スマホ用のVRゴーグルとなっています。

ダンボール製ですがなかなか精巧。*8



アプリの指示に従って、仮面にスマホをセットオン。

手番のプレイヤーが1人で仮面を被ります。


すると・・・

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目の前には神殿内のどこかの部屋の光景が!!!


VRですので、頭を動かすと360°見渡せます。すげー!



手番プレイヤーはそこから見える神殿内の様子を他のプレイヤーに伝えます。

部屋は全て六角形で、壁には6色の顏の描かれたレリーフ。通路から他の部屋の様子が見えたらそれも重要な情報です。



さらに、前作『アニュビス』から進化しているのは、高さの概念があること。

なんと、その場で実際にジャンプ!をすることで画面が切り替わり、水中に潜ったり、陸に上がったりできます。*9

水中と陸上の対応関係も大切です。



他のプレイヤーは実況をききながら、手元のタイルやレリーフのパーツなどで神殿内を再現します。


見えているのは仮面を着けている本人だけですから、

「あっち!」とか言っても、

他の人達は「しらんがな!」となりますので、

見えてない人達にもわかるように冷静に整理して伝えたいのですが、

制限時間がありますので、なかなかテンパってしまいます。



時間切れになったら、「おかえりなさーい」

現実世界に帰ってきて、みんなで一緒にタイルやパーツの配置を確認。



そうしたら次のプレイヤーが被る番。「いってらっしゃーい」

今度は先程とは別の部屋に転送されます。

2回目からは、前回までにつくったマップとどのようにつながるかが問題になります。


マップは5つの法則に従って配置されています。

・壁を挟んで表も裏も同じ種類のレリーフになる

・すべてのタイルは通路で1つにつながる

など。

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これらの法則を考慮にいれて組み合わせますので、結構ロジカルシンキングが必要。ひらめきも大切。

なかなか真剣に頭をつかうゲームなのです。



ただ、はたから見ていると、

「謎のお面を被ったおっさんが、なんか叫びながらピョンピョン飛び跳ねている」

というシュールレアリズムな光景が繰り広げられます。

PTAからのお知らせが学校で配られそうです。






さて、他にも忘れちゃいけない要素が。


神殿内でこんなヤツらを見かけることがあります。

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彼らは【霊獣ラパラパ】

マップ上には毎回3体の「ラパラパ」が登場します。

「ラパラパ」の形状はアプリでランダムに決められ、

毎回毎回、まったくちがう姿形で現れます。いったい何パターン出来るのかしら。


「ラパラパ」を発見したプレイヤーは、その形をしっかり記憶し、

まさかの粘土!でその姿を再現しなければなりません!!!*10

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「さっきまで奇声をあげてジャンプしていた人が、こんどは黙って粘土をこねはじめる」

という異常事態に教育委員会も真っ青。




さてさて、ロスタイム(すでに見た部屋に半分の時間で再度潜れる)をふくめて既定の回数の手番が終わったら、

最後にタイルの配置が正しいか答え合わせ。


3体のラパラパをそれぞれ、アプリの指示に従って動かします。


マップがきちんと再現できていれば、ラパラパがひとつのタイルに集合し、

めでたく救出成功!ゲームクリア!

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どこかで間違えていると、最悪このようにみんなあさっての方角に去っていきます。*11

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というわけで、VRボードゲーム、けしからんことに大変面白いです。


やはりVRの圧倒的な没入感はさすが。他の何にもかえがたい体験ができます。


水中という設定もゴーグルを覗く行為に何気にマッチしてますね。


みんなでワイワイ相談する楽しさ

マップを実際に組み上げる楽しさは、

ちゃんとアナログゲームの良さを発揮しています。


さらに粘土という「アナログの極み」みたいなものをぶち込んで来たのはおそらく確信犯でしょう。ニクいぜ。




そしてなにより素晴らしいと思ったのは、

現在のスマホVRの

「移動はできない」

「装着している人にしか見えない」

という技術的な限界、それ自体からゲーム性を見出しているところ。まさに慧眼です。


デジタルとアナログのまだまだ埋まらないギャップ、その距離感こそが面白い。

もしかしたら、もっとVR技術が進んでいたら発想できなかったのではないでしょうか。



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このゲームで遊んでいたら、懐かしのTV番組を思い出しました。


NHK『天才てれびくん』のバーチャル3部作。

『恐竜惑星』『ジーンダイバー』『ナノセイバー』の3作品です。

とくに個人的にはモニャイと同じくシリーズ2作目の『ジーンダイバー』が好きでした。*12


実写ドラマ+アニメ+3DCG


という欲張りな組み合わせで、それぞれの特性を活かして構成された魅力的な作品でした。


バーチャル世界(アニメパート)に入れるのは主人公だけで、現実世界(実写ドラマパート)の登場人物達はそれを外部から支援する、という構図も『モニャイの仮面』に通じるものがあります。


映像表現の過渡期における制作陣のフロンティア精神がブラウン管からほとばしっていました。




カンブリア爆発のように様々な技術やメディア・コンテンツが生まれる昨今。


デジタルゲームもアナログゲームも、これからどんな方向に進んでいくのかわかりませんが、

『モニャイの仮面』はその進化の歴史における重要なポイントとして、これから先も語り続けられていくのではないでしょうか。





【本日の教え】


~20XX年~

「VRボドゲの第三弾買った!」

「やろうぜ!」

「でもさ俺たち...」

「 全 員 ガ ラ ケ ー 」

「……」*13












  • *1
    森昭雄先生著『ゲーム脳の恐怖』(2002)によれば、TVゲームをしているときの脳波は認知症の人と同じであり、TVゲームが脳の機能を障害することが科学的に証明されています。学会では完全に無視されていますが、TVゲーム業界の陰謀であることは言うまでもありません。 ゲーム脳の恐怖 (生活人新書) | 森 昭雄 |本 | 通販 | Amazon




  • *2
    そのかわり、母方のおばあちゃんちにはファミコンがあり『スパルタンX』とか『高橋名人の冒険島』とかやりまくっていました。のちにPCエンジンも導入され『天外魔境 風雲カブキ伝』などは俄然ハマりましたね。おばあちゃん(77歳)は最近はニンテンドーDSで『ぷよぷよフィーバー2』をやっているらしいです。




  • *3
    これは真面目な話ですが、アナログゲームは教育や医療・福祉分野で活用の可能性があると思っています。実際、最近では発達障害のお子さんの療育にアナログゲームの活用が注目されています。知人の運営する精神障害者施設ではボードゲームをいつでも遊べるようにしており、安心して人の中に居られるようになったり、だんだん感情をあらわせるようになったり、など利用者さんのリカバリーに役立っているとのことです。




  • *4
    わたくしがVRを初体験したのは昨年、日本科学未来館の企画展「GAME ON ~ゲームってなんでおもしろい?~」の体験ブースにて。ロンドンマフィアの車の助手席に乗せられて、カーチェイスしながら銃撃戦してきました。運転席の相棒が指示してくれるんだけど、あれだね、いないって知ってても隣で話しかけられると相槌打っちゃうもんだね。VRのすごさ以上に人間の脳の反応におどろきました(俺の脳が原始的なだけかもしれんけど)。




  • *5
    『アニュビスの仮面』(2016)。ピラミッドの中の迷宮をVRからの情報で再現するゲーム(モニャイとゲームの基本構造は同じ)。話題に乗りおくれ、結局やらないうちに第二弾が発売されてしまいました。。。




  • *6
    『月刊ムー』(1979~)。情報統制の著しい現代において、真のジャーナリズムを貫き通している信頼のメディア。2015年発売のカードゲーム『ムー公認 オカルトかるた』はすでに絶版(おそらく発禁)ですが、わたくしは密かに所持していますので、一緒に遊びま・・・おや、誰か来たようだ。 オカルトかるた - ムーショップ




  • *7
    ゲーム中に浮気相手からのエッチなLINEなど届くとまずいので、機内モードにしておくことをオススメします。




  • *8
    普通にVRゴーグルとしてあんなコトやこんなコトに使えなくもないでしょうが、この見た目ですので賢者タイムに希死念慮に駆られる危険性が極めて高いです。家族に目撃されたら即死。(あと3DVRには非対応です。)




  • *9
    下の階に迷惑とか車イスを使っているなどの事情に合わせて、ジャンプの感度は3段階で調整できます。ギフトテンインダストリさんは、障害がある人でも対等に遊べるゲームを次々に開発されており(音や触覚をつかったゲームなど)、今後も注目です。

    Screenshot_2017-08-29-17-08-16-2.jpg





  • *10
    ルール上は3体の見分けさえつけばそれでよいのですが、なるべく再現度を上げて、自分の中での芸術点を高めたくなるのが人情というもの。




  • *11
    以下のように難易度を細かく調整できるのもこのゲームの親切なところです。

     ・マップの広さ:小さめ(視点4つ)、ふつう(視点6つ)、大きめ(視点6つ)

     ・制限時間:無制限、90秒、60秒、40秒、20秒

     ・ロスタイム:3回、2回、1回、なし

     ・ヒントカード(今回のマップに登場する通路の数と形を事前に知れる):使う、使わない

     ・チャレンジカード(難易度アップのため制限をつける。「レリーフを色ではなく食べ物で表現する」「マップをつくるときは片手しか使えない」「全員、ラパ、ラパパ、パーしか話せない」など。):使う、使わない

    Screenshot_2017-09-02-11-19-34.png





  • *12
    『ジーンダイバー』(1994~)。ジーンダイバー - Wikipedia
    子ども向け番組のはずが、SF設定がガチすぎて小学生完全においてけぼり。でも当時はわかっているつもりになって夢中で観ていました。「量子コンピューターが再現したバーチャル空間でデータとして活動する」って、MMORPGとか一般化する前にどんだけ時代先取りしてたんだよ、と。「ジーンダイブ」とか(DNA情報を遡ってタイムワープする)、「タイムブースター」とか(加速装置。通常の1000倍の速度で動けるが、慣性も1000倍になるため体力を非常に消耗する。空気の粘度も上がり呼吸できないため、専用のボンベが必要。)、いちいちかっこいい!プラグシュティク(ネズミ人類)の女戦士ティルは一部の性癖の人達に人気があり、多くのケモナーを覚醒させたとききます。俺は普通に主人公のユイちゃんが好きだった!終盤の鬱展開も容赦がない!いろいろ語りたいけどこのへんで!がんばってダーリン!




  • *13
    天てれで1995年ごろ『テレファイター』というコーナーがありまして。生放送でTV画面上のアクションゲームのキャラを、視聴者が自宅の電話のボタンで操作する!という画期的な企画。でも、これプッシュ回線でなければならず、当時まだギリギリあった黒電話のダイアル回線では参加できませんでした。しかも電話機はプッシュボタン式だけど回線はダイアル式のまま、という家もあった...。このため、せっかくハガキで当選した小学生が、放送中に操作ができないことが発覚し、スタジオがえらい空気になる......という事案が一度ならずありました。文明の進歩に犠牲はつきものだ...。



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しゃかえもん

Author:しゃかえもん
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埼玉県越谷市あたりに生息。

108の煩悩を操る煩悩マイスター。

非電源系ゲーマーです。(ボードゲーム、カードゲーム、TCG,TRPGなど)

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